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16年春リニューアルしました! 蒼辰が書くおハナシを随時アップしております。ちゃみのMCともども、読んでやって下さいまし。
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1月の歌舞伎座から・先ずは「女暫」

 まいどっ、ちゃみでっす。
 さて今週は、ひさびさ、歌舞伎のおハナシでございます。
 んっとね、今月の歌舞伎座は、寿・新春大歌舞伎でございますね。
 昼の部が、「金閣寺」「蜘蛛の拍子舞」「一本刀土俵入り」。夜が、「番町皿屋敷」「女暫」「黒塚」と、こんな演目になってます。
 そこで、演目にまつわるおハナシをしていこうかな、と思っております。
 で、先ずは、女暫です。
 主役は、玉三郎さまです。
 ほかに、歌六・又五郎・錦之助・七之助・男女蔵などなど、新春らしい豪華配役でございます。
 ほいでもって、先ずは、「暫(しばらく)」のハナシをしておきましょうかね。
 暫は、江戸歌舞伎を代表する演目でございます。いわゆる荒事といわれるお芝居の、いっちゃん典型的な一幕です。
 ストーリーはというと、偉くて悪い人物が、家来従えて、宴会やってます。
 でも、その中に正しい心の若者がいて、偉いヒトの悪いトコを諫めようとします。
 すると悪いヒトは、若者の許嫁を自分のモノにしたかったりもするので、成敗すると言い出します。
 でもって、若者が斬られそうになる、すんでのところに、
「しばぁ〜らく、しばぁ〜ら〜く〜」と、声がして、一人の若武者が颯爽とあらわれます。
 そして、悪いヒトの家来を次々とやっつけ、悪いヒトにも「まいった」と言わせ、若者の窮地を救う。
 こんだけのハナシです。
 ま、要するに、ヒーローモノです。
 それも、かなりおおどかな、江戸も、初期の頃は、都会的洗練とはかけ離れていたな、って感じるくらい、大ざっぱなハナシです。
 それを、女形が演じるのが、女暫です。
 つまり、のっけっから、パロディ臭がぷんぷんしてるでしょ。実際、そうなんだけど。
 ってところで、歌舞伎って、なにを見に、なにを楽しむのかっておハナシをしたいと思います。
 あのね、ふつうのお芝居・・ってゆうか、西洋からやってきた現代演劇は、劇世界で演じられるドラマ・ストーリーに浸るのが、観客のふつうの態度でございます。
 だから、俳優も、どれだけその役になりきっていたかが、評価の第一の基準です。
 ま、歌舞伎もそうなんですよ、キホンは。
 でも、それ以上に、役者そのもの、役者ぶりを見に行くものでもあるのでございます。
 だいぶ前に、歌舞伎は、役者がヒトならぬなにかに化身する、その姿に、昔の観客はおののき、オドロキ、楽しんでいたのではないか、というおハナシをしました。
 そうそう。役者そのものの、役者ぶり、美しさ、カッコよさ、ヒトならぬなにかに化身する姿を、見て、楽しむもの。
 その気配が、歌舞伎には濃厚に漂っているのであります。
 そういうとこが歌舞伎にあるからこそ、暫の主人公を、女形にしたお芝居が成立するのでございましょう。
 そういう意味で、歌舞伎らしい、また、お正月らしい、楽しい舞台でございましたですよ。
 だってね、正しい心の若者が、いよいよ斬られようかという場面、「しばぁ〜ら〜く」と、かかる声は、もちろん、女形の声です。
 それ聞いた、悪いヒトの家来の反応が、「吉例により聞こえた声だが、どうもようすが違うぞ」みたいな感じなのね。
 もう、のっけから、みなさんのよく知ってる芝居なんだけど、いつもと違うぞ、ってことを、舞台上で表現してる演出なのです。
 やがて、花道から、若武者ならぬ、女武芸者・・いちおう、巴御前ってことになってるんですけどね・・が、登場いたします。
 大太刀を腰に、素襖という、まっちかくな、まるで凧みたいなのを、袖にまとった姿です。
 そして名乗りの台詞になるんですが、その中にも、「成田屋からお借りした、素襖をまとい」なんてコトバが出てくるの。
 成田屋は、團十郎家の屋号でございます。つまり、暫を、得意とする役者さんの家ね。そこから借りてきた、みたいなことを、女暫の主人公さん、自らが言うわけ。
 さらに、女荒武者を、追い払いに行く一番手が、七之助さん演じる、女鯰若菜という役の女性です。
 その、女荒武者に向けての台詞も、「誰かと思えば、大和屋の姉さん」てな調子なの。
 あ、大和屋は、玉三郎さんの屋号ね。
 そんな調子で、大まじめに暫やってるのに、パロディらしさに満ちた演出になっているのであります。
 極め付けは、引っ込み。
 事件、解決して、花道七三に女荒武者を残して、幕が閉まっちゃいます。
「どうやら大役を果たしまして、これから楽屋に戻ろうと思います」
 てな調子なのね。
 けど、大太刀が思い。そこで、舞台番を呼んで運んでもらおうとするわけ。
 すると、出てきた舞台番が、なんと吉右衛門さん。
 この吉右衛門さん演じる舞台番が、六方踏まないと、幕が閉まらないと、女荒武者に促すわけ。
「きまりが悪いし、やったことがないし」と言う女荒武者に、「じゃ教えましょう」と、舞台番が、六方を教えるわけ。
 で、ようよう、玉三郎さん演じる女荒武者が、六方をちょっとだけ踏み、恥じらいながらひっこむと、こんな趣向なんですよ。
 あ、六方ってゆうのは、豪快に花道をひっこむときの動きの名前ね。
 有名なのは、勧進帳の弁慶の引っ込みだけど、六方にもいろいろな型があるんだ。
 ま、それはともかく。
 ね、楽しいでしょ。
 かくして、暫を女形が演じるという、パロディ精神に満ちた趣向のなかで、役者の役者ぶりを、たっぷりと楽しめる、華やかな舞台になっていたのであります。
 こんなおおどかな雰囲気が、歌舞伎にはあるんですよ。
 都会らしい洒落っ気ってゆうのか、いかにも洗練された洒落っ気が、歌舞伎の世界にはたっぷりとあるのでございます。
 もしも、歌舞伎って笑うとこ、きっとない、って思ってるヒトがいたら、全然そんなことないんだよ。
 日本の伝統芸術!なんて片ひじ張らずに、むしろ子どもっぽいくらいのキモチで、役者ぶりを楽しんでほしいナと思います。

 てなわけで、本日はここまでです。
 歌舞伎座、26日まで上演してます。当日券は、地下・木挽き広場奥のチケット販売所で買えます。
 たぶん、あると思うケド、当日券。
 でもって明日は、昼の部の金閣寺のおハナシになる予定です。
 ほいでわまたっ。
 歌舞伎大好きの、ちゃみでしたっ!
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by planetebleue | 2015-01-20 13:30 | 読むラヂオ
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