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16年春リニューアルしました! 蒼辰が書くおハナシを随時アップしております。ちゃみのMCともども、読んでやって下さいまし。
by planetebleue
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#2「天使のオウヨウ」その1

◇[かたゆでエンジェル]第2話
   「天使のオウヨウ」


 0

「あのヒトなんかどうでしょう」
「ターゲット物色するなんて十年早いわ」
「ですか?」
「ありゃ泥沼にはまるタイプだぞ。対処できんのかよ」
「はぁ」
「昔、マリリン・モンロー狙い撃ちにして泥沼にはまった見習いがいたっけ」
「それで、どうなったんですか?」
「食堂で盛りつけやってるよ」
「え?」
「任官になれずに見習い期間終わっちゃったから、がっこに傭ってもらったのさ」
「ひぇぇぇ~っ」


 1

 チャッチャッ、チャチャチャッチャチャッ。
 はぁ~い、ちゃみだよ~ん。
 え? なにやってんだ、って?
 オープニングですよ、オープニング。
 アヴァンのあとは、オープニング、タイトル・コールとつづくのは定石ではありませぬか。
 ん? ラヂオじゃないから、いらない。
 いらないんだ、オープニング。
 ふぅ~ん。
 で?
 あ、自己紹介からやりゃいいのね。
 はいっ、わたくし、このおハナシの[ぢの文]を務めております、ちゃみでございます。
 第二話、ということでございますね。
 まだお馴染みも薄いということで、先ずは登場人物の紹介から始めましょうか。
 え~、このおハナシの主人公は、二人の天使実習生でございます。
 ん? テンシもなんにんってかんじょするのか?
 ま、い~か。なんせ、見た目、JKみたいな二人でございますから。
 一人がミキで、も一人がマキともうします。
 濃いめメイクに黒のゴスロリ風コスなのが、ど新人のミキ。白のドレスにメイクも薄めの一見清純派が、ちょとベテランで曰くありげな実習生のマキでございます。
 え? どこがJK風か、って?
 あのね、雲の上にいるときは、ロリっぽいドレスに、背中には羽根もある天使スタイルなのですが、地上に降りると紺ブレザーに羽根を隠し、JK風のプリーツ・ミニに白のブラウスの胸元にはリボンというスタイルに変身するのでございます。
 冒頭で会話してたのがその二人なんだけど、さ~て、ど~こにいるのかなぁ~。
 あ、いましたいました。今日もコンビニで買ったチョコバー食べるという校則違反犯しながら、雲の上でターゲットを探しております。
 あ、つまり、天使の矢を放つ相手ね。
 天使実習生は、天使の矢を放ち、恋に落ちたニンゲンをシアワセにすることで成績を上げるのが目標なのであります。
 でもって、雲の上から人間観察ができるんだぜ。
 どお? あんまし羨ましくもないか。
 さて、
「すいません、今度こそ初期実習修了させて、独り立ちしますから」
 新人ミキが、ベテラン・マキに謝ってます。
 前回の初実習でいい成績が上げられなかったミキは、相変わらずチューターのマキとの二人組行動なのであります。
「慌てることはないさ」
 こちら、のんびり構えたマキ。白いドレスの一見清純派風でございます。
「ずっと一人もさみしいし」
「あら、マキさんったら寂しがりやさん?」
 上目遣いにもてかわっぽく言うのが、濃いめメイクに黒のゴスロリ風のミキでございます。
 ま、作者のミスマッチ狙いがすけすけではございますが、そこんとこ、お間違いなく。
「い~から矢を放てっ」
「はいっ」
 このへんは新人とチューター。
「あの・・・」
「ん?」
「さっきのハナシですけど、任官できずに見習い期間終わると、食堂の盛りつけなんですか?」
「任官したってクビになるヤツはいるぜ」
「えっ、そうなんですか?」
「調査員なんて、任官クビになったお天使ばっかさ」
「そぉ~なんですか」
「中には掃除のおばさんになったのもいるよ」
「天使が、掃除のおばさんっ」
「泥沼、始末できずにクビになってりゃ世話ぁない」
「そぉ~なのかぁ~」
「だからさ、なんでもテキトーが一番」
「はぁ」
「若い子にしときな。恋に恋するくらいの年が無難ってもんさ。どうせ年がら年中くっついたり離れたりしてるんだから」
「はぁ」
「いっときでも付き合ってくれりゃこっちのもん。そやってマメに成績稼いで、さっさと独り立ちしな」
「そういうもんですか」
「そ~ゆ~もん」
 ってゆうか、天使実習生がそんな調子だから、若い者は年がら年中誰かに恋したり、くっついたり離れたりしてるんじゃないの?
 ニワトリとタマゴだな、こりゃ。
「けどマキさん、さっき慌てることないって。ずっと一人はさみしいって」
「そ・・れわぁ」
「どっちなんですか」
「い~から矢を放てっ」
 はいっ、振り出しに戻る。
「分かりました。テキトーでい~んですよね、テキトーで」
「なんか反抗的だな」
「わたし、テキトーやめない」
「は?」
「わたしにテキトーってなにか分かるまで」
「それ、なんか歌の文句にあったような・・・」
「テキト~ッ」
 ミキさん、ひゅい~んと天使の矢を放ちます。
 矢は弧を描いて飛び、ぶすっと誰かの背中に刺さったようであります。


 2

「前へっ」
 すっくと立ち上がった制服の女子高生がこぶしを握りしめております。
 あ、この女子が、今回、ミキさんの放った矢が刺さっちゃった子なのね。
 え~と、名前が北山瑠里花って、まぁ~たDQ系ネームかい。
 細身の体にショートヘアで、おや、なかなかきりりとした男前の顔立ちではありませぬか。前回の丸顔よりマシだな、こりゃ。
 でもって、場所は教室、時は放課後。これから部活のために部室に向かうところであります。
 で、なんで「前へ」かっつうと、この子、ラグビー部のマネージャーなんですとさ。
 だから、「前へ」か。
 つまり、ラグビーっつうのは、あの楕円形のボールを持ったら、目に進むしかない競技なのであります。
 サッカーみたいに、「一旦ボールを戻します」みたいなことができない。
 ボールをキープしたら、ひたすら前に出るしかないのであります。
 あと、あれだよね、かの大学ラグビーの名門・明大ラグビー部のポリシーっつうか、標語っつうか、そういうあれも「前へ」だったよね。
 思うに、ここにラグビーの精神と申しましょうか・・・え? そんなハナシはどうでもいいから先へ進め、って?
 あ、そうっすか。
 んじゃ、前へっ。
 要するに気合い入れたわけでしょ、瑠里花ちゃんは。
 それも、今日も部活がんばるぞとか、絶対帰りがけのコンビニ・スイーツ我慢するぞとか、そんなんじゃないよね。
 なんせ、ミキさんの天使の矢が背中にぶすっ、でございますから。
 さて、部室の前までやってきた瑠里花ちゃん、すぅ~っと深呼吸一回。でもって、にっと笑顔を作ると、「う~~っす」、明るい声とともに部室のドアを開けます。
 あ、これがいわゆるルーティンなのね。
 さすがラグビー部。
 ほいでもって部員たち、っつうことはほとんど男子どもと軽く言葉を交わしながらグランドへ。お時間まで、ジャージ姿で練習の手伝いに励むわけでございます。
 けど、視線はときおりちらっちらっ。
 一人の男子部員のほうをちらっちらっ。
 視線の先にはすらりとした体つきに乱れた髪、涼しげな目元のイケメンときた。
 それもどこかワイルドで、男らしさを漂わせているとくれば、もうだいたい分かったわな。
 そっ、この男子部員こそ、もともと瑠里花ちゃんのお目当てだったのでございます。
 同じ学年で隣のクラス。名前が、浦島幸太。名は体を・・ちょとあらわしてません。
 データとして肝心なのはこっからね。
 幸太、二年生にしてレギュラー・ポジションをゲットいたしました。
 それもスタンド・オフ。ラグビーにおけるエース・ポジションですわな。
 当然のことながら、女子からの人気は高い。
 あと、野球部のエースじゃなくって、イケメンのキャッチャーのほう? それと水泳部のあいつ? あ、軽音のギターのあいつと、ヴォーカルのあれか。おっと、去年の副委員長だったあいつ?
 ともかく、学年の人気を、えっと、ひぃふうみぃ・・・六分するくらいの人気者。
 この、人気者の幸太を射止めようと、瑠璃子はラグビー部に潜伏すること早四ヶ月。どうやら互いに下の名前で呼び合うくらいのところまできていたのであります。
 ってことは、あれか、ミキの天使の矢は、単に瑠里花の背中を押しただけってことか。
 あとは告るだけ?
 なんかできすぎじゃね?
 雲の上ではミキさん、もうにこにこ顔でグランドのようすを眺めております。
 そう。矢が刺さったジンルイの恋が成就すると、実習生の成績となるのであります。
「カレシのほうも悪しからず思ってるみたいですから、きっとうまくいきますよね」
「四ヶ月もなにやってたんだ」
「え~っと・・・」
 手元の学校支給品のタブレット端末を目で追うミキさん。ここに、さまざまなデータが送られてくるのでございます。
 でもって、そのデータの作成に携わっているのが、天使クビになった調査員なんだな、多分。
「あ、ラグビーに恋したフリをしていたのだそうです」
「なんだ?」
「カレシともラグビーのハナシばかりをし、常にチームのためを考えて行動していたのだとか」
「気の長ぇヤツだな」
「懸命にきっかけを作っていたのです」
「ごめん。キミのことを女子としては考えられない。これからもマネージャーとしてチームに尽くしてくれ」
「な、なにを言い出すんですか、マキさん」
「よくあるハナシだぜ」
「い~です。その時はその時で、なにかうまい囁きを考えますから」
「お前って、キホン、マジメなのな」
「いけませんか?」
「それも典型的なお返事だよな、おマジメ族の」
「それじゃいけないんですか?」
「い~え~、よろしいんじゃございませんか」
「なんか感じ悪い」
「おい」
「はいっ?」
「先に帰ったカレシ、追いかけてるぜ」
「あ」
 てなわけで、おハナシは下界へと転換いたします。
 日はもう落ちて、街灯のともった通学路でございます。
 片側は、なんか苔の生えた古そうな石垣で、その上に学校が建っております。
 反対側も段差があって、建ってる家の二階から上しか見えておりません。
 そんな坂道。
「待ってぇ」
 校門を出た幸太くんに、小走りで追いつく瑠里花ちゃん。
「いっしょに帰ろうよ」
「おう」
 二人して、てれんこてれんこ、駅への道をたどります。
 この日は、瑠里花ちゃんにとっては千載一遇のチャンスなのです。
 それというのも、いっつも幸太といっしょに帰る三人組の一人が風邪で休み。あと二人が怪我とリハビリで接骨院に向かったのであります。
 さすがラグビー部だわな。怪我人の多いこと。
 マネージャーである瑠里花ちゃんがそこんとこ知らないはずもなく、でもって、外すわけにはいかないのも当然のこと。
 片づけぐずぐずしながらタイミングを計り、みんごと、駅まで二人でてれんこなのであります。
 いっすよね、てれんこ。てれんこがもっとも似合うのは、なんつっても中高生時代の下校時でございます。
 いかに時間があり余っていたことか。
 年取るとね、だんだん先を急ぐようになるものなのであります。
 いえ、ちゃみはそんなに先急いでませんよ。作者のほうはかなり先急ぎ始めたみたいっすけど。
 あだっ。
 余計なコト言うなとおこらりました。
 はいはい、瑠璃子と幸太ね。
 たま~に、
「おつかれぇ」
「あ、おつかれぇ」
 先急ぐヤツに追い越されたりなんかしながら、てれんこてれんこ。
「また明日ね」
「おう」
 女子がチャリで追い越してったりする。
 この女子も幸太ファンだったりするんですが、いっしょにいるのはただのマネージャーと思ってるから、そんなにイシキもしない。
 瑠里花、しめしめで、やっぱりてれんこてれんこ。
「あ~、じれってぇ」
 って、マキさん、せっかち。
 ほら。
「ねぇ」
「ん?」
「幸太くんさ、カノジョとかいないの?」
 って、これだけ言うのだって、瑠里花的にはけっこ勇気いったんだから。
 もちろん、天使の矢効果もあったわけなんですが。
「いねぇよ、知ってんじゃん」
「がっこにはね。でも、近所の子とか」
「いねえって」
「ふぅ~ん、もっちゃいないじゃん」
「あ?」
「かっきょいいにょに▽※◇☆・・・」
 決めフレーズのつもりだったんですよ。噛んじゃったし、後半、なに言ってんだか分かんなかったけど。
 日が落ちててよかったよね、瑠里花ちゃん、真っ赤だぜ。
 けど、
「じゃ、お前さ・・・」
 いつもはルリカッと呼び捨てなのに、お前、ときた。
「俺のかんジョにな☆※▽・・・」
 あ~あ、こっちも噛んでんでやんの。それも、そこそこイケメンが赤くなっちゃって。
 なんなんだ、こいつら。
 にしても、なんとまぁ、天使の矢が刺さった恋する乙女が、本命に告られた、ですと?
 なぁ~んかつまんね。
「いいの、あちしで」
 また噛みぎみ。
「ああ」
 ほとんど息だけ。
 そいでも、瑠里花ちゃん、にっこりと微笑んだのは申すまでもございません。
 でもって、見つめ合う瞳と瞳。
 勝手にやってろっ、みたいなもんでありますが、
「あ・・・」
 幸太なにやら思い出したようであります。
 どした?
「俺、今度の期末、赤点なしで突破するまで、女の子と付き合うとかダメって、ママに言われてたんだ」
 さっきよかもっとあかぁ~い顔して、なに言ってんだ、こいつ。
「マジ?」
「ああ。だから、それまでは・・・」
「分かった。でも、じゃ、試験終わったら・・・」
「俺、頑張るよ」
 だってさ。
 なぁ~んか、妙な展開になってまいりました。

[その2につづく]
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by planetebleue | 2016-07-19 16:01 | かたゆでエンジェル
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