excitemusic

16年春リニューアルしました! 蒼辰が書くおハナシを随時アップしております。ちゃみのMCともども、読んでやって下さいまし。
by planetebleue
ICELANDia
カテゴリ
全体
読むラヂオ
ちゃみのMC
かたゆでエンジェル
アイドル騎士団
未分類
以前の記事
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


第2話「地球を守るアイドルにも、練習場所がいるのデス」その2

 3・見たい、この目でシュバリアンを

「これじゃめぇ~ねぇ~じゃねぇか」
 突然叫んだのは、あの派手はで制服のヂャアそのヒトでした。
 ロボット・カメラ蜂の送ってくる映像が、突如、三分の二ばかり白くにごってしまったのです。
 なんかゴミひろったんだな、きっと。
「地球のゴミはこんなに汚れているのか」
「はぁ」
 ボスの自動翻訳機がまた調子おかしいと思いながら、銀髪男は適当に返事しておいた。
「二は分かるか?」
「は?」
「三は分かるかと聞いているのだ」
「はぁ?」
「あ・・・」
「なにか?」
「イチはどこか分かるか」
 やっぱ自動翻訳機おかしいわ。
「はっ」
 銀髪男がモニターをがちゃがちゃ。
「分かりました」
「よし、その付近の宇宙艇を隠せる場所に着陸せよ」
「ええっ?」
 銀髪男が驚いて顔を上げると、ヂャア、怖い顔で睨みつけているのでありました。
 わかりましたよ。
「2304 3305 8762 2099に着陸する」
「了解」
 操縦する白の銀髪男も、やれやれ気分で操縦桿を倒したのでありました。
 そして数分後。
 すごいっすね、ヤツらの宇宙艇は。
 わずか数分で、葦の茂る河原を発見し、そこに宇宙艇を隠しながら着陸していたのでありました。
 そして、どさっ。ヂャアが真っ先に地球の大地に降り立ちます。
「危険ではないでしょうか」
 後ろに降り立った銀髪男が情けない声で言う。
「見たい」
「は?」
「この目で、タークド・シルジュウソの作ったシュバリアンを」
「だが、しかし、我々のパワーでは、その・・・」
「ほっとする」
「は?」
「シンシャだよ、シンシャ」
「へ?」
「ほら、そっくりが2Dになる」
「あ、ひょっとして、フォト」
「そう、そのシンシャ」
「それを言うなら、シャシンであります」
「どっちでもいいっ」
「はっ」
「それさえとれば、司令官どのにい~とこ見せられるっつうもん」
「はぁ」
 銀髪男、どうやらヂャアの言ってること、半分くらいしか理解できてない。
「お前は、俺を先導しろ」
「はぁ?」
「残りは二人ずつ、俺が見える場所で目立たないように行動するんだ」
「それでは、宇宙艇がカラに・・・」
「わたしになにがあってもいいというのかっ」
 唾が飛びました。ヂャア、偉いヒトのようです。いちおー。
「分かりました」
 てなわけで、スマホ状の通信機のマップを見る銀の銀髪男とヂャアが真っ直ぐ目的地に向かい、桃と白が右後方、黒と青が左後方というフォーメーションで移動を開始します。
 あ、そうそう。銀髪男どもは、例によってモスグリーンのつなぎに、黒のブーツで、胸のとこに各自のカラーが差し色されております。
 でもって、[道を歩く]という考えがないんだかなんだか、ヂャアと銀の銀髪男は、川堤を越えると、雑草の生い茂る空き地をまっすぐに歩いてゆきます。
「これが地球のじびたか」
「はっ」
 やっぱ翻訳機調子おかしいと思いながら、銀髪男は適当に返事しておいた。
「やらかいかたいやらかいかたい」
 ぶつぶつ言いながら歩くヂャアに、銀髪男はもう返事もしない。
 やがて、空き地の向こうの、雑木林に覆われた小さな丘みたいのを越えると、眼下の道路の反対側の丘の上に、巌厳学園の第二校舎が見えていた。
「あそこです」
「下がる、上がる」
「はいっ」
 い~かげんなやりとりしながら、ヂャアと銀髪男が第二校舎に向かう。
 そこは、通称飛び地って言われてるとこで、サッカーもできるグランドとふたつの小体育館があった。
 そのうちのいっこが、GGC=巌厳学園チア部の、通称本部と言われている専用の体育館だった。
 道路を渡ると、緩い傾斜の畑の先に第二校舎のフェンスがある。
 ヂャアと銀髪男、畑踏みにじって、まっすぐフェンスに向かってる。
 怒られるぞ、農家のおじさんに。
 でもってもちろん、右後ろからは桃と白が、左に黒と青が、畑の縁つかってフェンスに近づいてゆく。
「どやって見つける?」
「そ~ですねぇ~・・・」
 銀髪男、ノーアイディアらしい。
「色がついてるとか言ってたな」
「あ、はい、五色の着衣でありました」
「何色だ」
「えっと、ピンクがかぶってました」
「あとは」
「赤と緑と・・・」
「あとは」
「え~っと・・・」
 必死こいて考えてやんの。記憶力大したことないな、こいつ。
「まぁいい。五色の五人組だな」
「はい」
「よし」
 派手はでコスのヂャア、いきなりフェンスによじ登っちゃった。
 それを見て、あとの四人もこっち向かって走ってくる。
 フェンスに上がると、1メートルくらいのとこがGGCの本部体育館で、ちょうど窓から中のようすが窺える。
 中ではGGCの選抜チームWonderersが練習中。そりゃきれっきれのいい動き。
 それを見た銀髪男がハッと目を見開く。
「あれ、あれくらいの動きでした」
「なに?」
 も一度中のようすに目をやるヂャア。
「ならば、あの中におるな」
 ひょいっとフェンスを飛び降りるヂャアと銀髪男。着地すると目の前が窓。そこに、どさっとストレッチングのために座った二人の女子。
 おんなじ高さで出会う目と目。
 女子の顔が一瞬ひきつったかと思うと、
「覗きよぉ~~っ」
 甲高い声で思いっきり叫んだ。
 そこに、どさどさどさとフェンスから下りてくるあと四人の銀髪男。
「覗き?」「どこどこ」「あそこです」「捕まえてっ」「はいっ」
 つぎつぎと声がして、足音がどどどどっ、どどどどっ、忙しく動き回ってる。
 え? え? え?
 ヂャアと銀髪男、思わず顔を見合わせ、窓の中を見て、もう一度、え? と顔を見合わせる。
 ケド、そんなことしてる場合じゃありませんでした。
「いたっ」
「捕まえろっ」
 声とともに、左右から三十人あまりのジャージ姿の女子がどどどどどっと迫ってきたのです。
 なにしろフェンスと体育館にはさまれた細長い空間。逃げるとすれば再びフェンスを乗り越えるしかなかったのですが、この連中、事態が飲みこめぬままただ突っ立っておりました。
「捕まえろっ」
「引きずりこめっ」
「この野郎っ」
 正義感に燃えた数十人のJKが、いろんなこと叫びながら突進してくるのであります。
 世の中にこれ以上恐ろしいことはないんじゃないか。
 足がすくんでる間に、つぎつぎと腕を取られ、羽交い締めにされ、
「なにをするっ、わたしを誰だと思ってる」
 と、叫んでも、
「ムダです、ヂャアさま」
 はい、そのとおり。
 あとの四人も恐怖にひきつり、両手を上げております。
 しっかし、フェンス乗り越えて中に入るなんて、大胆っつうか、常識ないっつうか。
 あ、宇宙人の見分け方に、地球常識がないってゆう項目がありましたっけ。
 それはともかく、両腕をつかまれ、羽交い締めされ、足まで持ち上げられ、六人の大のオトナが体育館に引きずりこまれてしまったのであります。
 そこにはさらに数十人のジャージだったり練習着だったりの女子。
「ど~ゆ~つもりよ、スケベ親父」
「変態じゃないのっ」
「ストーカー?」
「どうなるか見せてやろうよ」
 さまざまな罵声とともに、百個くらいの怒りの女子目線を浴びることになった。
「ひっ、ひっ、ひぇ~っ」
 この時はじめて、ヂャアのココロに恐怖心が芽生え、あっという間に沸点に達しました。
 そして、ヂャアの制服には、恐怖が沸点に達すると反応する、とある装置が仕こまれていたのです。
 ぴか~ん。着ていた制服が光り出したかと思うと、ぬめぬめと変態を始めたのでした。
「きゃっ、なにっ」
 取り囲んでいた女子が、わっと飛び退きます。
 それを見た銀髪男たちも、恐怖心ともあいまって、
「ふかんぜんへ、んたいっ」
 こちらも全身ぴか~ん。アーマー・スタイルにと変身を始めました。
 これらのパワーを使うと感知されてしまうということ、知らなかったんだか、忘れてたんだか・・・。


 4・ドーナッテルンダー!

 ぴ~ぴ~ぴ~。
 あたしの頭の中で、あの警告音が鳴り出した。
「ん?」
 顔を上げたのは全員いっしょ。
「来た」
「やっぱ?」
「鳴ってる」
 とっさに、コブシが見たことないスマホ取り出した。
 指でぴゅっとかやってチェックしてる。
「第二校舎だ」
「なんだってぇ」
 下川先生ががっと立ち上がり、椅子引きそこねて、膝打ってる。
「行きましょう」
「う、うん」
 必死に立ち直る下川先生。
「アーマー着られる」
「だねっ」
 真っ先に立ち上がるカズラとアヤメ。
「またバトルとかやるのぉ」
「しゃあないよ」
 不満そうなスミレに答えるミズキ。
「今度はもうちょっとうまくやろっ」
 机に両手置いて、あたしもすっくと立ち上がる。
 なんせ、リーダーですから。
 かくして、地球を守るアイドル戦士[みるきぃクレヨン]の二度目の出動となったのであります。
 *
 しかし、[ふかんぜんへ、んたい]のエネルギーを感知していたのは、わたしたちだけではありませんでした。
 地球上空を飛ぶ、カントが一人乗った小型宇宙艇にも反応が伝わりました。
 ん? と、どこやらを操作するカント。
 するとモニターに、ロボット・カメラ蜂からの不鮮明な映像が映し出されました。
 要するに、体育館でアーマー・スタイルに変態しちゃったヂャアと五人の銀髪男の姿にびっくらこいている50人ばかりのGGC部員という絵ね。
 それを見て、超美形のカントが顔をしかめます。
「なんとお粗末な・・・」
 その直後、小型宇宙艇はきゅい~んと旋回を始めたのだとか。
 *
 さて、体育館のほうはというと、もう大混乱。
「きゃ~~っ」
 目の前で、アニメかCGみたいにアーマーに変態しちゃったんだから、そらびっくりしますよね。
 六人のアーマー姿スケベ親父から、誰もが後ずさりしております。
「ルゲーニ、ルゲーニ」
 このスキに脱出しようとヂャアが走り出し、五人の銀髪男がそれに従います。
 しかし、このヂャアってゆう宇宙人、かなりパニくっていたようです。
 走り出したものの、どっち行っていいのか、根本的なことが分かってなかった。
 しょうがないんで、出口求めて蛇行しながら走ってます。あとに続く銀髪男どもも、あっちにすたすた、こっちにとたとた。
 そのたびに、数十人のGGCメンバーも「わ~っ」「きゃ~っ」とちりぢりに逃げ回る。
 もうなんだかぐちゃぐちゃの状態。
 で、悪いときには悪いことがつづくもの。
 体育館の片隅に、内装工事用の大きな脚立が、今日はお休みだからブルーシート賭けた状態で立ってたんです。その他の工事材料や用具といっしょに。
 目立ちますよ。なにしろ二階相当の高さで作業するための脚立ですから。
 けど、逃げ道を探すヂャアは前見ないで走ってた。
 ガッシャ~ン・・・!
 肩から激突してしまったのです。それもアーマー状態だから破壊力すごい。
 脚立は折れて倒れてくるし、工事材料やらなにやらは吹き飛ぶしで、誰もが「キャ~ッ」。
 体育館内もうパニック状態。
 もっともヂャアも、
「うぐじゃ、けれこれ」
 ブルーシートにからまちゃってたんですケド。
「ぷはっ」
 銀髪男に助けられ、顔を上げたヂャアが最初に見たのが、準備室に逃げこむ中学生三人組の姿でした。
 ドア開けて、ここから消えた。
 出口だ。
 そう思ったヂャアは、
「ルゲーニ、ルゲーニ」
 叫びながら、そっちに向かって突進した。
 しかし、ヂャアって宇宙人、アーマーのパワーをきちんと理解してなかったか、初体験だった。
 だだっと踏みこんだ二歩目で、ガツッと体育館の床を踏み抜いちゃった。
 おかげでおっとっとっと。体勢もバランスも崩したまんま、真っ正面から準備室のドアにガッシャ~ン。
 みごと扉を破壊し、準備室の中にずっで~んと倒れこんだのであります。
「キャ~~ッ」
 三人の中学生が悲鳴を上げ、うち一人は、スネのあたりにヂャアの肩がぶつかって、転倒しています。
 どうしていいのか分からないまま、銀髪男どももどどどどどっ。準備室になだれこんでくる。
 慌てて、さすがリーダーのアザミと、サブのユリエが走ってくる。
 顧問の先生とコーチにはもう連絡したけど、到着するまではアザミが責任者。
 準備室をのぞき見するくらいのとこで止まって、
「その子たちをどうするつもり」
 人質に取られると思って、思わず叫んだ。
 それ聞いた銀髪男の一人が、反射的に中学生女子の腕をつかみ、それを見た別の銀髪男が別の子の腕をつかむ。
 え? え? え?
 事態が飲みこめてないのは、むしろヂャアそのヒト。
「ドーナッテルンダー!」
 決め技のコールじゃないっつうの。
「チ、チッヂンジ、ルートンド」
 銀髪男が返します。
「ジーマヨか」
「それしかないかと」
 って、そこだけ地球語。
 やれやれしょうがないと立ち上がるヂャア。
「シュバリアンを出せっ」
 アザミとユリエに向かって叫んだ。
 え? え?
 びっくりしたのは、実は銀の銀髪男。
 え? 人質とって、宇宙艇に戻るんじゃないんですかぁ? それだって、いい手じゃないケド。
 しかしヂャア、
「踊りのうまい、五色の五人組だ」
 すっかり人質取って要求してるヒト気分。
 え? こちらアザミとユリエが顔を見合わせる。
 踊りのうまい五色の五人組って、誰?
 銀髪男どもはじりじり。だって、五色の五人組出てきたら、負けちゃうのに。
 しかしヂャアは、策があるんだかないんだか、五色の五人組に執着しちゃっていたのでした。
 *
 さて、その頃、地球を守る五色の五人組は、
「ハイエースで移動っすか」
 下川先生が中古で手に入れた三列シートのワゴン車で第二校舎に向かっていました。
「文句言わない」
 と、運転に自信なさげな下川先生。
「ハカセとの回線、開けておきましょうか」
「あ、ああ、そうだね」
 言われて助手席のコブシが指先でぴゅっ。
「それっ」
 と、第二校舎へと左折したハイエースでありました。
 *
 さて、体育館の準備室の、なりゆきで中学生女子部員三人を人質にしちゃったヂャアと銀髪男ども。
「ぽり~、すとかそ、ういうことつう、ほうるとこの、子らのぶじはほ、しょうない」
 興奮すると自動翻訳機の調子までおかしくなるらしい。
「シュバリアンを、踊る五色の五人組を出せっ」
 けど、出てきたら勝てないと銀髪男どもは戦々恐々。
 ヂャアさま、どうなさるおつもり?

[その3につづく]
[PR]
by planetebleue | 2016-07-19 16:12 | かたゆでエンジェル
<< 第2話「地球を守るアイドルにも... 第2話「地球を守るアイドルにも... >>