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16年春リニューアルしました! 蒼辰が書くおハナシを随時アップしております。ちゃみのMCともども、読んでやって下さいまし。
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伊勢参りに行こう・その6

 まいどっ、ちゃみでっす。
 さて本日は昨日のつづき。
 長いながい伊勢への旅も、ようやく到着でございます。

 そこを渡ればもう伊勢という宮川の手前の、山田宿という宿場に宿を取ったところでございました。
 山田宿は、全国からやってくる伊勢参りの人々が、みぃ〜んな泊まるもんですから、大変な賑わいでございます。
 なんせ千人、二千人が一度に泊まれる旅籠がいくつもあったというんですから、びっくり。
 団体専用ですね。
 今なら大型の観光バスがずらっと並ぶ大駐車場を連想してしまいます。
 けど、それに近い設備もありました。
 もんのすごくおっきい焼き網があったんですって。
 大きな焼き網が二枚になっていて、間に、魚の切り身をはさんで、何百人分を一気に焼き上げるっていうんです。
 すごい。
 なんだか、修学旅行を思い出しました。

 けどさぁ、なんでみんな山田宿に泊まるわけ? さっさと伊勢参りに行けばいいじゃない。
 そうはいかない? なんで?
 この山田宿で待っていると、担当の御師が迎えに来てくれるからなんです。
 御師の本業は、伊勢参りの案内と取り次ぎ。御師の案内で、伊勢に参内するというわけ。
 なるほど、ガイド待ちか。
 なにしろ、それだけを目的の旅ですからね。本殿の前で賽銭投げて、鈴ならして、かしわ手打って、一礼して終わり、なんてゆう、初詣みたいなもんじゃなかったんでしょうね。
 ちゃ〜んと本殿に上がって、ご祈祷を受けたんだろうと思います。
 厳粛な気持ちになったでしょうね。
 外宮、そして内宮と、それぞれで参拝を済ませます。
 やっと念願の伊勢参りができました。身も心も満足して、じゃ、サヨナラ、って、それじゃなんかあんまりじゃない?
 なんかないの?
 あったんだ。やっぱし。

 伊勢参りを済ませた夜は、御師が経営する宿に泊まります。
 おや、御師って宿まで持ってるんだ。多角経営? じゃなくって、つまり接待用の宿なんですか。
 で、どんな接待かというと、これがすごい。
 平凡社新書「江戸の宿」から引用しますね。

 宿に到着すると、先ずお風呂に入ります。
 そのあとに出されたのが、

一、吸い物(雑煮)、小皿(鯛塩漬け)、冷酒、みそ汁
一、吸い物(いなうと)、取り肴(鯛のむしり肴)、大蓋(牛
  蒡うま煮、蒲鉾半月、こはだすし)、同(うど、くわい、
  アナゴ蒲焼き)

 こんだけ食べたあとに、もっかいお風呂に入ります。
 そのあとに出されたのが、

一、本膳
  汁(白味噌)、平椀(蒲鉾、椎茸、うど)、坪(焼きフ、
  たこ)、香の物、皿(なます、うど、生うり、きくらげ)
一、汁(切り身)、皿(さしみ)
一、引き物(鯛)

 どんだけだい、って感じですよね。
 まるで結婚式みたい。

 別の記録では、本膳が白木四の膳つきで、取り肴が十四もあったとか、大皿に大きな伊勢エビ、長皿に大鯛が出たとか。
 朝ご飯にも酒が出され、二汁五菜だったとか。
 まあまあまあまあ、あらあらあらあら。
 すんごい接待ぶり。
 どしてそこまでするの?

 そりゃ、御師としては、いい思い出を持って帰ってもらって、国に帰ってから講の仲間に話してもらう。
 すると、講中のまだ行ってないヒトは、いつか当たる日が待ち遠しくなるし、新たに、講に加わるヒトだっているかもしれない。
 つまり、御師にしてみれば、文字通り、接待。
 がっかりされて、違う御師にでも乗り換えられちゃったら大変ですからね。目いっぱいのおもてなしをするわけ。
 ふ〜ん。
 なので、講に当たって伊勢参りにやってくる町人やお百姓さんは、一生に一度のご馳走を振る舞われるというわけなのです。

 いや〜、い〜思いをしたなぁ。何年間も毎月の積み立てをして、当たる日を待っていた甲斐があった。
 ほんとうに、身も心も満足して、帰途につけるというものでございます。
 ってゆうか、伊勢参りって、ほんとにハレの旅だったんだね。
 なにもかもが、一生に一度の体験。ひと月半にわたる、ハレの旅。リフレッシュ休暇だったのであります。
 にしてもさ、御師って、かなり儲かる商売だったみたいね。
 なんか、そんな匂いがする。

「暮れにはまたご挨拶に伺いますので、また明年も、よろしくお願いいたします」
 とかなんとか。
 山田宿まで御師に送ってもらうと、いよいよ帰途の旅でございます。
 伊勢講なんかでやってくる庶民は、懐のほうもそんなに余裕はありませんから、まっすぐ、来た道を戻るんでしょうね。
 でも、まぁ急ぐことはありません。
 行きに泊まらなかった宿場に泊まって、訪ねそびれた名所や、食べそびれた名物なんか食べながら、ゆ〜っくり帰ったんでしょうね。
 もうちょっと余裕のあるヒト。ちょっとした店の旦那とか、大店の番頭クラスとか、そういうヒトたちの中には、ついでだからと、京・大坂を見物して帰るヒトも多かったみたいですね。
 そりゃそうでしょう。せっかく関西圏まで二週間もかけて歩いて来たんだもの。
 休暇一ヶ月延長して、京・大坂、行きたくなるのは当然でございましょう。
 それに、若手の番頭さんなんかだと、見聞を広め、勉強のために行かせるというケースもあったみたいですね。

 江戸と京・大坂、東海道には、大勢の商人も行き来していましたが、頻繁に行き来する商売と、ほとんどそのチャンスがない商売はやっぱりあったでしょう。
 旅に出る機会の少ない商人にとっては、大切な社会勉強の機会でもあったんでしょうね。

[少年を男にする]ってゆうの、なんだっけ? ラグビーだったかな。
 けど、旅も、ヒトをオトナにしてくれるよね。
 ちゃみも、この江戸時代伊勢参りの体験で、なにかすこし、オトナになったような気がしております。
 ところでさ、帰り道、反対方向に行くヒトって、これから伊勢参りのヒトも多いわけでしょ。
 なんかさ、さっきからコドモの集団が通ったり、首になんか下げた犬が通ったりするんですけど。
 子どもたちは、おかげ参りと行って、着の身着のままで村を飛び出してきちゃったヒトたち。
 げっ、そんなヒトたちがいたの?
 江戸時代には、何年かの周期で、おかげ参りが流行したことがあった。
 へぇ〜え。
 でも、伊勢参りに行くというのは殊勝なことだというので、殿さまが大店が、粥を振る舞ったりしたこともあったんだ。
 あ、ほんとだ、広場みたいなとこで、みんな粥すすってら。
 じゃ、犬の方は?
 あれは、代参。
 代参って、誰かの代わりにお詣りに行くんでしょ。誰の代わり?
 え? 飼い主。
 飼い主の代わりに、犬が一人で、っつうか、犬だけで、伊勢参りの旅をしているのですかっ。
 そういう実例が、数々記録されているんだ。
 へぇ〜え、ふぅ〜ん。

 そのお話は、伊勢参りシリーズの続きとして、近日中にお送りする予定。
 はぁ、そうなんですか。
 あ、資料まだ読んでないのね。
 じゃ、いつかそのうち、ってことで。

 てなわけで、江戸時代の伊勢参りの旅は、ようよう終わりに近づきました。
 え? ついでに富士山登るか、って?
 い〜です。箱根で十分です。
 じゃ、江ノ島寄るか、って?
 あ、そっちは行くぅ。
 江ノ島の弁天さまにお参りした翌日くらいには、どうにか江戸に帰り着けそうでございます。

 ほいでわまたっ。
 ちゃみでしたっ!
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by planetebleue | 2013-10-02 13:30 | 読むラヂオ
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