「ネトウヨ化する日本」読んでみたっ。 |
まいどっ、ちゃみでっす。 よくさ、炎上とかありますよね。誰かの、ちょっとしたカキコミに対して、過剰なまでに過激で攻撃的なカキコミをするヒトたちがいるんですよね。 そういうヒトは、匿名、顔が見えません。 一体、どういうヒトたちなんだろ? と思ったことありません? ![]() そんなとき、ちょっと興味深い本に出会ったので、本日はブック・レビューでございます。 その名も「ネトウヨ化する日本」というタイトルの本でございます。 帯には[日常系アニメを愛でる人々が、なぜ「ネット右翼」と化すのか]という、いかにもそそられるコピーがくっついてます。 ちょっと前の都知事選で、田母神候補が予想以上の得票を得たことが注目されてました。 それも、20代に支持者が多かったんですよね。 若者の右傾化とか、新保守主義の台頭か、などと新聞の記事にもなってました。 田母神さんに投票した若いヒトたちって、ひょっとしてネトウヨっぽいヒトたちなのかな。でもって、新たな政治的カタマリになるのではないか。 そういうことに、マジ? と思ったヒトには、興味深い一冊だと思います。 著者は先ず、選挙で言うと浮動票にあたるヒトたち、新中間層と呼ばれているヒトたちを、フロートと名付けます。 そして、フロートと呼ばれるヒトたちが、なにに共感し、どんなことに反応するのかと問題を設定します。 その答えを得るために、ITの進化による、ネットとユーザーの距離感について考えます。 また、そこで得られる臨場感やリアリティについて考えます。 と、こう書いてゆくと、気づきますよね。 そう。ネットの世界では、フィクションとリアルの教会が曖昧になってゆきます。 オタクと呼ばれるような、特定のコンテンツにのめり込むヒトたちにとっては、コンテンツの世界は、それはもう限りなく現実に近いモノと感じられているでしょう。 そこまでは分かりますよね。 けど、そこから先になると、著者の熱い想いは、ときに読者をおいてけぼりにしながら疾走してゆきます。 大久保のヘイトスピーチをするヒトたち、[在特]についての論考にいたると、著者のほとばしるような想いさえ感じてしまいます。 それでもなお、ネットの世界から、なぜネトウヨと呼ばれるヒトたちがあらわれるのか、十分な答えは得られません。 少なくともちゃみは、著者の論考とネトウヨという存在がどう結びつくのか、はっきり納得はできませんでした。 それでもなお、著者は、さらにその先へ、ネットあるこの世界に生きる私たちにとっての、あり得べき未来へと論を進めてゆきます。 しかも、そこで取り上げられるのは「涼宮はるひ」「進撃の巨人」「カゲロウデイズ」などなどのオタク的コンテンツであり、同時に、日本の近代浪漫主義や三島由紀夫なのであります。 この飛躍と跳躍は、とってもIT時代っぽくって、文章というよりは、論考のスピード感とあいまって、けっこうエキサイティングな評論となって成立しています。 けどさ、かなり分かるヒトには分かるけど、分からないヒトたちには分からない世界であることもジジツです。 そう思うと、いわゆるオトナのみなさまがサブカルと思っていたモノが、同時代を生きてきた世代に、どれだけ影響を与えてきたか、改めて思い知らされる感もたっぷりです。 そして、ITというモノの急速な進歩が、新たな世代間の格差、それも感受性の差につながっているのではないかと考えてしまいます。 それも、かつての10年20年のくくりじゃなくって、5年きざみ、文字通りドッグイヤー的な差異を世ぢあかんに生み出しているのかもしれません。 だってさ、初期2ちゃんねるは、ITのハードルが高かったので、集まるヒトたちも、いわばマニアックで同質性があった。だが、スマホで参加できるようになり、垣根が低くなると、そのような同質性が失われる。 みあいなこと言われても、ねえ。 それはともかく、この30歳の著者には、ネトウヨについて、まだまだ言いたいことがありそうです。 駆け足のあとがきの中で、自分もネトウヨ的情報に接し続けてきたという自覚があると告白もしています。 そういう意味で、この本を紹介した日経新聞の記事は正しいのかもしれません。 「これは、ネトウヨの闘病日記である」と。 まさしく、力作であります。 IT時代の、ネットの中での、さまざまな理解できない現象に、なぜだろうと疑問を持つヒトにとって、立場の違いを越えて、必読の一冊であると思います。 読んでみてっ。 ぜったいオススメです。 てなわけで、今日はここまででっす。 明日からはね、江戸だよりとして、江戸の食べもののハナシが何回かつづくことになってます。 硬軟とりまぜの[読むラヂオ]、週末あたりは、うんとやらかいか、ちょと硬いか、になるかもしれません。 ほいでわまたっ。 ちゃみでしたっ! |
by planetebleue
| 2014-02-24 13:30
| 読むラヂオ
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