excitemusic

16年春リニューアルしました! 蒼辰が書くおハナシを随時アップしております。ちゃみのMCともども、読んでやって下さいまし。
by planetebleue
ICELANDia
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


正月興行に欠かさず上演されてたのわ?

 まいどっ、ちゃみでっす。
 今週は、新年最初の週ってことで、江戸時代のお正月のおハナシとか、あれこれやってます。
 で、本日は、待ってましたっ、歌舞伎の正月興行についてのおハナシでございます。
 江戸時代、正月興行は、11月の顔見世興行とならんで大事にされ、それは華やかなものだったそうでございます。
 顔見世、今も東京では11月、京都では12月にやってます。
 これ、なにかってゆうと、江戸時代の役者さんは、劇場との一年契約だったわけね。
 で、年度末には、いろいろと移籍とかもあったりする。
 そこで、契約最初の月に、これから一年、こんな顔ぶれで興行いたしますと、顔見世する。
 なので、顔見世興行でございます。
 ま、それはともかく、お正月興行、それとならぶ、華やかな興行だったのですね。
 やっぱねぇ、庶民にとっても、お正月は晴れ着どき、お金の使いどき、晴れやかな気分になりたいどき、ですもんね。
 お芝居でも見て、幸せな気分になろうという観客も、多かったのだろうと思います。
 そんな、江戸の正月興行には、欠かせない演目がございました。
 それが、曾我ものといわれるお芝居でございます。
 どういうお芝居かというと、鎌倉時代にホントにあった仇討ちをお芝居にしたものでございます。
 曾我十郎・五郎の兄弟が、さまざまな艱難辛苦を乗り越えて、仇・工藤祐経を討つ、というおハナシ。
 この曾我ものを、お正月には必ず上演する。
 これ、江戸時代通して、二百数十年間、変わらなかったそうです。
 よっぽど、正月といえば曾我、ってゆうのが、江戸市民の間で定着していたんでしょうね。
 それも、たいがいは[対面]と呼ばれる場面が上演されます。
 これ、曾我十郎・五郎の兄弟が、やっとのことで仇・工藤祐経に出会うわけ。
 けど、そこは偉いヒトもいる儀式の場なので、討てない。
 すると工藤さん、ここで討てと、巻き狩りの入場券みたいのくれるんですよね。そん時は、俺もちゃんと相手するから、と。
 そこで曾我兄弟と工藤さんは、その場での再会を約して分かれる。
 これが対面の場でございます。
 つまり、仇討ち、しない。
 いつかするってことを、仇と約束して分かれるだけです。
 なんか中途半端な感じではございます。
 けど、江戸の観客は、これだけで、十分に満足し、納得していたわけ。
 なんで?
 あのね、つまり、仇討ちの成功は、まぁ、有名なハナシだから、みんな知っているわけ。
 そいで、仇討ちの成就を予感させる場面だけ演じることで、やがてくる成功を、ともに予感して満足するわけなんだって。
 どういうことかってゆうと、こういうのを、予祝とゆうんだそうです。
 お祭りにもありますよね。
 秋の収穫を、予め祝うことで、祈り願う。春祭りって、たいがいそういうタイプじゃないかな。
 そういう、予祝にあたるめでたさを、曾我の対面が持っているからなんだそうです。
 ふぅ〜ん。
 つまり、やがて成就する予感に、カタルシスを感じてたってこと?
 そうなんだ。
 ニホンの芸能って、多く、神事に由来してますよね。
 お相撲もそうですが、歌舞伎もそうです。
 ですから、独立した、独自の芸能となってからも、神さまとの結びつきが、あちこちに残ってるんですね。
 ってゆうか、芸能と神事との歴史的な結びつきとか知らなくても、ニホンジンのココロの中に、自然に感じられる感情として息づいていたのかもしれませんね。
 正月といえば[曾我の対面]。でもって、そのハンパなとこで終わっちゃう舞台に、ある予祝を感じ、カタルシスすなわち目出度さを感じていた、と。
 そうか、そういうことなんだ。
 こんど曾我もの見るときは、そういうつもりで見なくちゃね。
 ちなみに、今年の歌舞伎座、1月には曾我もの、ありません。
 かわりに2月、昼の一番で、[吉例寿曾我]が上演されます。
 旧暦のお正月が1月31日だし、昔の正月気分を追体験するにはいいかもよ。
 そして、江戸時代二百数十年間の間、欠かさず正月に上演されてきた曾我もの、キホン、新作だったんですね。
 なので、曾我ものといわれるお芝居、とってもたくさんあります。
 例えば、あの助六もそうなんですよ。
 花川戸の助六は、実は曾我五郎。吉原で男だてを売り、喧嘩を売り、相手が刀を抜くのを待っている。
 なぜなら、仇討ちに必須の、宝刀を探しているからなのでした。
 こういうの、世界を借りる、ってゆうんだけど、そのハナシはいずれまた。

 てなわけで、お正月は曾我ものに予祝のカタルシスを感じて、めでたい気分にひたっちゃってください。
 はい、今週はこれぎりでございます。
 来週は、がらりとオモムキを変えたおハナシになる予定ですが、まぁ予定はあくまで予定ということで。
 ほいでわまたっ。
 ちゃみでしたっ!
[PR]
by planetebleue | 2015-01-08 15:00 | 読むラヂオ
<< 楽園にも歴史アリ・Hawaii... お年始にこめた昔のヒトのココロ。 >>